【コットンの闇】その通常栽培コットンは農家の命を削り、世界の水を危機に追い込み、GMOだった。
そうですよね、化繊や獣毛製品を避けると選択肢はコットン、リネン辺りです。
しかし通常栽培のコットンは…
これから水不足がやってくると言われているのに、水の使用量No. 1もちょっとマズイ気がしますね。
オーガニックでない通常綿の栽培には当然の如く農薬が使用されています。その農薬漬けのコットンを身につけることにより経皮吸収をして私たち消費者の健康が害されることが問題でしょうか?
私が問いたいのはそこではありません。
今回はこれらがどう言うことを意味するのか、探っていきたいと思います。
通常コットンは農家の命を削り、海が干上がる?
コットン栽培では世界中で使われる農薬の40%を占めています。
これは、”農作物の中で最も多い”
そんなふうに言われています。
コットンは着ているだけで環境破壊⁈
と言われるほど、薬品付なのです。まず、種に虫が付かないように防虫剤から始まり人工的に枯らさないとコットンにシミがつくので枯葉剤を空中散布。
ベトナム戦争で使われた枯葉剤です。
製造過程でも様々な薬品が使われ、水も大量に消費するため環境破壊に https://t.co/MPkZ4hGl4M
— Jun-Momiji@仕立て屋の娘 (@jun_momiji) July 21, 2021
また、
農薬使用量はなんと全体の26%にも及ぶ。
そして、
原綿産地であるウズベキスタンにあるアラル海は、コットン栽培によりほぼ、干上がってしまいました。
コットン農家の寿命は35歳?
インドの通常コットン農家の寿命は若干35歳。
コットン農家は農薬により命を落としているのです。
貧しい農家は農薬使用の際に必要な防護服やマスクを買うのに十分なお金がありません。
また、文字が読めないために適切な使用量がわからず使用している場合もあります。
(これはネパールにいた頃、ネパールでも農薬の適切な使用についての指導がなかったり、文字が読めないことがあるためどれだけの農薬が使用されているのかわからないから結構怖い。と言われたことがあります。)
加えて、先述したアラル海周辺のコットン農家は咽頭癌の罹患率が世界一、流産や奇形の増加も問題に。
通常コットンに使用される農薬と化学薬品
コットンはなんとその、”種”からすでに防虫剤散布が始まります。
- 土壌消毒/改良のために、化学薬品、化学肥料を使用。
- 雑草除去のため除草剤
- コットンの葉につく虫の駆除に殺虫剤
そして、収穫時には、、
あのベトナム戦争で使われた「枯葉剤」が使われます。
更に、紡績時にも、、、
- 化学薬品
- 加工に化学のり
- 漂白剤
- 化学染料
- 防腐加工
- 柔軟仕上げ剤
と、種付けから紡績加工時に至るまで薬品漬け。まさに、
ですね…
一枚のTシャツを作るのに2700ℓの水が必要?!
カザフスタンとウズベキスタンを跨ぐようにして、アラル海があります。
アラル海は世界で4番目に大いとされる、塩湖。
その立派な塩湖が、なんとコットン栽培による影響で干上がってしまったのです。
同時に農薬の蓄積で広大な土地は汚染されました。
”1kgのコットンを作るのに20000ℓの水が必要です”
アラル海だけではありません。
多くの水問題を抱えるコットン栽培、パキスタンにあるインダス川では川の水の97%がコットン栽培に充てられています。
コットン栽培は、できるコットンボール(綿花)を大きくするために多量の栄養分と水を必要とするのです。
遺伝子組み換え(GMO)コットン
時すでに遅し、
出回る通常コットンのほとんどは、遺伝子組み換えコットンです。
以下、少し長くなりますが、遺伝子組み換えコットンについての記事引用です。
遺伝子組み換えの害虫耐性コットンは、
1996年から出始めました…
”害虫抵抗性コットン:毒性を出す土壌中の微生物の遺伝子を綿花に組み込んで、害虫の被害を防ぐ。
主な害虫は、オオタバコガ。
害虫のタイプに合わせて5種類の種を用意。
除草剤耐性コットン : 一般的に除草剤を撒かれると綿花も枯れてしまうが特定の除草剤に対して耐性を持たせたコットンの種。
ラウンドアップレディという品種は、除草剤グリホサホートを撒かれても成長に影響されない。
このような宣伝文句でした。
”有害な殺虫剤を大量に撒くことなく、環境や人の健康のためになり、
殺虫剤に費やしていた大きなコストを削減出来ます”
”除草のための耕作が不要となって大幅に農作業の手間が減ります”
ところが、数年すると、
想定外の問題が起き始めました。
インドでは、2002年からGMOが始まり、
1エーカー当たり208㎏の収穫のところ5倍の1,040㎏になると宣伝されていましたが、
実際は63kgで70%減になりました。
種のコストは3倍以上で、更に綿の品質評価は低く、40%の価格に減らされて、生活苦から自殺者が増えました。
2009年自殺者数17,638人:手元に残った農薬ラウンドアップレディを飲んで、自殺するケースが多かったと報告されています。
中国でも1997年からBTコットンの栽培が始まりましたが、その後、ワタミゾウムシ(カメムシ)も含めてその他の
害虫が大量発生して1,000万軒以上の小規模農家に被害をもたらしました。
400万ヘクタールで始めたBTコットンでしたが、別の作物の2,600万ヘクタールに悪影響を及ぼしました。
結局殺虫剤を大量に撒きました。”
遺伝子組み換えコットンとそうでないコットンを見極めるには、検査をするか、オーガニックを選ぶ他ありません。オーガニックも、認証を持っているものかどうか、確かめる必要があります。
- GOTS(Global Organic Textile Standard)
- OCS(Organic Content Standard; Textile Exchange)
- NOC(日本オーガニックコットン流通機構)
上記のどれかがあれば、OCSを除き(※)栽培から紡績、流通、生産において監視されています。
(※)OCSは製造工程における監視はないため、製造過程で化学薬品を使用している可能があります。
獣毛が動物を苦しめるのなら、コットンは人間を自殺に追い込み、動物も苦しめる。
動物虐待要素を知り、動物製品不買を行っている方もいるかと思います。あらゆる獣毛製品は動物虐待につながると考えられ、実際に獣毛製品の原料を提供してくれる動物たちが良い環境で大切に扱われている保証はほぼ、できません。
そこで、獣毛製品にもオーガニック認証があります。
同じように、コットン製品も9割は微々たる給料で働かされ、最悪は児童労働だったり強制労働、多量の農薬により農家の寿命は短く、農薬により命を落とすこともあり。また毎年種を購入するのに借金をして、収穫時に返済する。その繰り返しで苦しい生活を送る農家が非常に多いのです。
不作だった年には借金が返せずに自殺することも。
インドのコットン農家は
ラウンドアップを飲んで自殺
するケースが多いようです。
コットンを選んでも、それは動物の代わりに人間が苦しむだけなのです。
いや、コットン栽培と紡績時による水質汚染により、魚たちも悲鳴をあげています。
それでもまだ、通常コットンを選びますか?
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